写真ではなく映像ではどうなのか?


以前、販売(有料)サイトに写真を登録して売るのと無料で自由に使ってもらうのと、どちらが儲かる?という文書を書きました。現在でもPIXTAは健在であり、写真だけでなく映像も取り扱うようになっています。
PIXTAのサイトを見ると写真の単価は525円からなのに対し、映像の単価は2100円から9450円までとなっています(映像を扱いだした当初は現在の1.5倍高額でしたが、その後価格改定がなされ値下げされています)。
写真と比較しても最低価格が4倍もあるので、映像の方が儲かりそうだと思われる人もいるかもしれません。さらに映像の場合は写真と比較して競争相手が非常に少ないという利点もあります。「よし、それなら写真をやめて映像にする」と考える人がいるかもしれません。特に写真の領域ではプロが参入してきており、中途半端な装備のアマチュアでは機材、技術とも太刀打ちできません(プロ並の機材と技術があれば、頑張れば月60万円とか、30万円台は収入を安定して見込めるようです)。一年に2〜3枚売れるだけでクリエイターランクが、急に上がってしまうというのも、上位のごく一部がシェアを占めており、他は屍累々といった状態になっているからだと思われます。

写真でなく映像の方がよさそうだと思う方は挑戦してみるのも悪くはありません。競争相手が少ないところを狙うのは悪くない方法です。実際に映像もPIXTAで販売しているのですが、頑張って撮影することができれば、無料素材で配布するよりも大きなリターンが見込めます。
ただ、参入者が少ないのには、それなりに理由があります。1つはカメラが高額な事です。といってもハンディカムであれば数万円で購入できるので高額な一眼レフより安いと言えます。それでは、ハンディカムで撮影した映像が売れたか、というと調べてみると0枚(自分の場合)。結局、業務用カメラで撮影したものしか売れていません。
映像素材が、どこで使われるかというのもありますが、TVなど放送関係であればハンディカムは部が悪いかもしれません。報道番組などではハンディカムが使われることがありますが、CMなど報道番組以外では、やはり業務用カメラになってしまうのでしょう。撮影された映像がハンディカムかどうかは、光のゴースト(太陽に向かってカメラを向けると六角形などで映る光)を見れば分かってしまいます。ハンディカムの場合は菱形に、業務用ビデオカメラなら六角形に、一眼レフならば丸形になります(例外はあるが基本的にこれ)。
それでも撮影する映像素材によってはハンディカムかどうか分かりにくい場合もあります。映像の場合、写真と違って編集が必要になります。ハイビジョン映像を編集するとなると、それなりのマシンが必要になります。とは言っても2011年時点で販売されているパソコンであれば、十分処理できる範囲です。ただ、H.264でエンコードすると、かなり時間がかかるのも確かです。
映像は思ったよりも1つの素材を仕上げるのに時間がかかります。また、写真ならゴミが映っていてもPhotoshop等でゴミを消すことができますが、映像の場合はそれなりのソフトを使うかしないといけません(もしくは1コマずつ分解してPhotoshopで手作業で行う)。カラーコレクションなども同様で、写真とは違ってかなりコストがかかります。
コストがかかる要因としては撮影時間もあります。写真はシャッターを切れば、それで終わりですが映像の場合はPIXTAでは最低5秒必要です。その5秒は撮影時には30秒や1分の映像から切り出すことになります。10秒としても写真の10倍手間がかかるわけです。

ここまでは実写の映像素材の話ですが、PIXTAではCG素材もOKとなっています。ただ、CGソフトを購入してレンダリングして処理する手間もバカになりませんので、実写がよいかCGがよいかは難しいところです。まあ、どちらにせよ売れる素材を作ってしまえばよいのですが。

ちなみに2011年時点でも写真素材はフリーで公開した方が収入は多い状態です。同じ金額をPIXTAで販売できる自信は全くありません...


[2011.11.29]

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