■こどもパソコン相談室 #retropc

「パソコンの起動が遅い」


司会者:「はい、次の質問です。お名前と年齢をどうぞ」
たろう:「大石たろうです。7歳です、小学1年です!」
司会者:「はい、たろう君、元気ですね。質問は何かな?」
たろう:「あの、昨日パパから古いパソコンもらったんだけど・・・」
司会者:「そう、もらったの。よかったね。それで?」
たろう:「スイッチを入れて使えるまでに、凄く時間がかかるのはなぜですか?」
司会者:「はい。スイッチ入れてから使えるようになるまで時間がかかるのね?」
たろう:「うん」
司会者:「じゃあ、先生に聞いてみましょう。清水先生お願いします」
清 水:「はい、たろう君こんにちは」
たろう:「こんにちは」
清 水:「パソコンが遅いんだね?」
たろう:「うん、スイッチ入れてから・・・う〜んと3分か5分くらいしないと使えない」
清 水:「ああ、それは遅いね。パパからもらったの?」
たろう:「うん」
清 水:「前にパパが使ってたの?」
たろう:「うん」
清 水:「どんな形をしたパソコンかな?」
たろう:「平らな形してる」
清 水:「なるほど平らなんだね。それはノートパソコンだね」
たろう:「これ、ノートパソコンって言うの?」
清 水:「そうだよ。あまり厚みがないよね?」
たろう:「え〜と、あまり厚くない、です」
清 水:「じゃあ、それはノートパソコンだね。縦型というかビルみたいな形のはデスクトップパソコンって言うんだけど、縦型じゃないよね?」
たろう:「はい、縦じゃないです」
清 水:「じゃあ、ノートパソコンをもらったんだ。それはいいね。何に使おうと思ったの?」
たろう:「お絵かき!」
清 水:「そう!それはいいことだね。でも、お絵かきができるまでに時間がかかるんだね?」
たろう:「うん。もっと早くできないのですか?」
清 水:「そうだね、工夫すればできるかもしれないね。ところで、そのパソコンのOS(オーエス)は何か分かる?」
たろう:「書いてないからわからない」
清 水:「う〜ん、そうかあ。そのパソコンは昔パパが使っていたんだよね?最近(2014年)まで使ってたの?」
たろう:「ううん、5年くらい前までは使ってたって言ってた」
清 水:「そうか。5年前だとWindows XPかVISTAだね」
たろう:「パパはなんかセブンってのを使ってるって言ってた」
清 水:「そうか。じゃあ、たろう君がもらったのはWindows VISTAだと思うよ」
たろう:「ウィンドウズ ビスタ?」
清 水:「そう。そのWindows VISTAは評判悪くてね、凄く遅いんだ」
たろう:「そうなんですか?」
清 水:「いろいろ不具合があったりしてイマイチだったんだ。先生も買ったんだけど、動かすまでに5分くらいかかるね。たろう君のも、スイッチ入れてからそのくらいかかるんじゃないかな?」
たろう:「はい。でも、3分くらいでだいたい動く・・・かな」
清 水:「そうかあ。たろう君のパソコンは5分もかからないんだね。う〜ん、そうなると、もっと早くするには工夫しないと駄目だね。ハードディスクをSSDにするという方法もあるんだけど・・・。お金かかるのは駄目だよね?」
たろう:「う〜ん、たぶん駄目だと思う・・・」
清 水:「そのノートパソコンはCPUが遅いかもしれないね」
たろう:「凄く遅いってパパが言ってた。3.6MHz?とか言ってた」
清 水:「3.6MHz!それは極端に遅いね。たろう君、それは単位が違うよ。MHzでなくてGHzだね。つまり3.6GHz。わかる?」
たろう:「・・・わかる」
清 水:「3.6GHzならCPUは速いよね。動画の再生もスムーズでしょ?」
たろう:「うん」

動画の再生(例)

清 水:「パソコンが遅いのはハードディスクやCPUだけが問題じゃないんだ」
たろう:「そうなんですか?」
清 水:「メモリって聞いたことある?」
たろう:「はい。三角定規とかに付いてる!」
清 水:「あ、それは目盛りだね。先生が言っているのはパソコンの中に入っている記憶する入れ物の事なんだ」
たろう:「入れ物?」
清 水:「そう。その入れ物が小さいとパソコンが遅くなっちゃうんだよ」
たろう:「そうなんだ」
清 水:「たろう君、パパからもらったパソコンのメモリサイズってわかるかな?」
たろう:「う〜ん・・・64KB?とか言ってた、かも」
清 水:「64KB!それは少ないね。それも単位が違うんじゃないかな。多分GBだと思うよ。つまり64GBだ。わかる?」
たろう:「・・・わかる」
清 水:「にしても凄いね。3GHz以上のCPUでメモリが64GBもあるんだ。パパは、そんな凄いパソコンをくれたんだ」
たろう:「うん。でも、今はどこにも売ってないって言ってた」
清 水:「そうだね。そんなスペックのノートパソコンあったらビックリだよね。もしかして、パパはコンピューター関係の会社にお勤めしてるのかな?」
たろう:「うん、富士通」
清 水:「あ〜大手だね。もしかして、それは試作機かもしれないね」
たろう:「試作機?」
清 水:「そう。メーカーが試しに作ったパソコンだよ。いろいろ調べるために使ったりするんだ。もしかしたら最高スペックにしてWindows VISTAを動かそうと思ったのかもしれないね」
たろう:「そうなんですか?」
清 水:「多分そうだと思うよ。そこまでのスペックだとサーバーだったのかもしれないよ」
たろう:「サーバー?」
清 水:「そう。あとは高速に計算するために作ったパソコンかもしれないね。多分、特殊なパソコンじゃないかな。何か変わったものが付いてないかな?」
たろう:「カセット?とかいうのが付いてる」
清 水:「カセットが付いているんだ。そうなると科学計算じゃなくてサーバーの試作機だよ多分。カセットって凄く多くのデータを記録できるんだよ」
たろう:「そうなんですか?」
清 水:「そう。ハードディスクよりも、ずっと大きいデータを長期間安定して保存できるんだよ。例えばソニーが開発したものは185TB以上も保存できるんだ」

世界最高の面記録密度148Gb/in2を実現した磁気テープ技術を開発

たろう:「すごい」
清 水:「そう凄いよね。たろう君の目の前にあるパソコンは凄いものなんだ。小学生には、ちょっともったいないね」
たろう:「でも、遅いの・・・」
清 水:「そうだよね。遅いんだよね。試作機だから仕方ないけど、お金があるならWindows 7にする方法もあるよ。速くするにはお金がかかるから、パパにお願いしてみるといいんじゃないかな」
たろう:「はい、わかりました。お願いしてみます」
清 水:「お願いついでにいいかな?」
たろう:「はい」
清 水:「たろう君がパパからもらったパソコンの写真、先生見てみたいな。よかったら、送ってくれる?」
たろう:「はい・・・・カシャッ!」