FinalCut Pro 7編 オリジナルのフィルタを作る(2)

前回は、緑色の四角形を描画するフィルタを作成しました。もっとも、フィルタと呼べるようなシロモノではありませんが。おまけにFinalCut Pro上では一時的に動作するものの、実際の映像フィルタとしては利用できません。先週公開されたPhotoshop CS6を使った方が、時間はかかりますが、映像にフィルタ効果を施すにはよいのかもしれません。

まず、作成したフィルタを実際にFinalCut Proで利用できるようにします。フィルタを作成したら、FXBuilderメニューから「プラグインを作成...」の項目を選択します。どこでもよいので、とりあえず分かりやすいところに保存しておきます。

FinalCut Proを終了させます。終了させたら、以下のどちらかのフォルダに作成したプラグインを入れます。生成されたプラグインは「緑の四角.fcfcc」のようなfcfccの拡張子がついています。

保存先
/ライブラリ/Application Support/Final Cut Pro System Support/Plugins//ユーザ/<ユーザ名>/ライブラリ/Preferences/Final Cut Pro User Data/Plugins/

作成したプラグインを入れたら、再度FinalCut Proを起動します。起動したらエフェクトタブをクリックします。すると、「自分のフィルタ」というフォルダができ、その中に「緑の四角」という名前のビデオフィルタが追加されているはずです。もし、追加されていない場合には、フィルタ名(filter)が間違っていないか確認してください。

それでは、作成したフィルタを実際の映像に適用してみましょう。すると、緑色の四角は表示されるものの、バックも緑で何か変です。おまけに肝心の映像が表示されません。これはあまり意味のない失敗フィルタだったようです。

ということで、映像の上に緑色の四角形が表示されるように改良したものが以下のスクリプトです。


scriptid "GreenRect2"
filter "緑の四角2";
group "自分のフィルタ";

code
point rectPoint[4];

MakeRect(rectPoint, -50, -50, 100, 100 );
FramePoly(rectPoint,Src1, kGreen ,10 );
blend(Src1, Src1, Dest, 50);


変更したのはFramePoly()の2番目のパラメータと、追加した最後の行です。FramePoly()ではいきなりSrc1と指定していますが、これはソース映像を示す変数です。あらかじめFinalCut Proで定義されているので、いきなり使うことができます。

最後の行ですが、よくわからなかったので映像を合成して出力するblend()を使っています。これは2つの映像をブレンドして出力するものです。最後の行がどのくらいの割合で合成するかを示す不透明度になっています。

これで映像の上に緑色の四角が表示されるようになりました。FXScriptは資料が多くないのが難点。

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