ここではツールの説明をします。ツールの中で右上に▼(三角)マークがあるものは、マウスのボタンを押したままにすると、複数のツールアイコンが表示され、その中から選べるようになります。


矢印ツール (黒)
(黒)矢印(アロー)ツールです。グループ化された図形を選択する時に使います。つまり全体を動かすわけで制御点(アンカーポイント)を動かす場合には白抜き矢印の方を使います。optionキーを押しながら、このツールアイコンをクリックするとダイアログが表示されます。これで選択されている図形や制御点を細かく指定する事ができます。

矢印ツール (白)
(白)矢印(アロー)ツールです。図形の制御点を変更したり曲線の傾きを変更する場合に使います。+の記号がついている方を選択するかoptionキーを押したまま図形をクリックすると、そのオブジェクトの制御点をまとめて選択する事ができます。通常は+がないツールにしておき、optionキーを押してまとめて選択する方が効率が良いでしょう。

手のひら(ハンド)ツール
手のひら(ハンド)ツールです。これを選択し画面上でドラッグする事により表示されている範囲を動かすことができます。スペースキーを押したまま(文字入力時およびダイアログの数値入力時以外)ドラッグしても同様の事が行えますので、通常は選択する必要はないでしょう。

虫眼鏡(ルーペ)ツール
虫眼鏡(ルーペ)ツールです。これを選択し画面上をクリック(もしくはドラッグ)すると表示されているサイズ(倍率)を変更する事ができます。そのままクリックすると「拡大」され、optionキーを押したままクリックすると「縮小」されます。コマンドキーとスペースキー(縮小する場合はoptionキーも)を押したままクリックしても同様の効果が得られます。他にもコマンド+M(全体表示)やコマンド+H(実寸表示)がありますので、あまり選択する必要はないでしょう。

ペンツール
ペンツールです。イラストレータの初期の頃からあり、イラストレータたるツールです。このペンツールだけで、直線とベジエ曲線を自由に描くことができます。まず、直線を描く場合はそのまま画面上をクリックしていきます。曲線を描く場合はクリックではなくドラッグします。ドラッグしマウスを動かす事により曲線の傾きを制御します。傾きが決まったらボタンを離します。直線と曲線を混在して描いていく場合は、クリック(直線)とドラッグ(曲線)していきます。

分割/連結ツール
これらは一見すると異なるアイコンが並んでいますが、役割は同じです。左側から説明します。「ハサミツール」は制御点と制御点の線を切ります。線を切るには切りたい線の上でクリックします。「(制御点追加)ペンツール」は、制御点を追加します。制御点を追加するには線の上でクリックします。「(制御点削除)ペンツール」は制御点を削除します。「直線曲線切り替えツール」は直線と曲線を切り替えます。切り替えるには制御点の上でクリックします。クリックされた制御点が直線であれば曲線に、曲線であれば直線に切り替わります。これらのツールは以外と使用頻度が高いものです。optionキーを押すことにより、追加削除の切り替えもできますので、ハサミツールと制御点追加ツールのどちらかを選択して使い分けると良いでしょう。

筆ツール
筆ツールです。大きさと角度などをうまく設定しておく事でイラストレーターらしからぬ曲線を描くことができます。

自由曲線/トレースツール
左側が「自由曲線ツール」、右側が「トレースツール」です。自由曲線ツールはドラッグする事で自由な線を描くことができます。ただし、筆ツールとは違い線の太さは一定です。トレースツールは、あらかじめ読み込んでおいたPICT画像を自動的にトレースするものです(このトレースだけを抜き出して売っているソフトがAdobe Streamlineです)。あまり精度が良くないので、手動でトレースした方が速いでしょう。

円(サークル)ツール
円(サークル)ツールです。ドラッグする事により円を描画します。このドラッグの時にshiftキーを押すことにより正円を描くことができます。optionキーを押しながらドラッグすると最初にクリックした所を中心として円を描画する事ができます。正確な数値で描画させたい場合はoptionキーを押したままクリックします。するとダイアログボックスが表示されますので数値を入力します。イラストレータで描かれる円は、近似ベジエ曲線として演算されるため、正確な円とはなりません(PostScriptにはarcという円を描く命令がありますが、イラストレータはこの命令は出力しません)。

長方形(ボックス)ツール
長方形(ボックス)ツールです。ドラッグする事により長方形を描画します。このドラッグの時にshiftキーを押すことにより正方形を描くことができます。optionキーを押しながらドラッグすると最初にクリックした所を中心として長方形を描画する事ができます。正確な数値で描画させたい場合はoptionキーを押したままクリックします。するとダイアログボックスが表示されますので数値を入力します。角の四角いものと角の丸い長方形を描くことができます。

定規ツール
定規ツールです。2点をクリックする事で2点間の距離を計ることができます。

文字(テキスト)ツール
文字(テキスト)ツールです。ただの「T」の場合は、状況に応じて普通に文字を入力するのか、図形の中に描画するのか、図形の線(パス)に沿って入力するのか自動的に判別してくれます。全部で6種類ありますが、そのうち3種類は縦書き用です。ただの「T」の場合だと線に沿って入力したい場合でも、図形の中に入力されてしまう場合があります。このような入力箇所を指定したい場合は、それぞれ専用の入力アイコンを選択します。入力するテキストは、他のエディタなどで入力された書類なども使用できます。

回転(ローテート)ツール
回転(ローテート)ツールです。選択されている図形(または制御点)を回転させます。まず最初に回転の中心をクリックし、その後に他の場所でドラッグすれば回転させる事ができます。回転の際にoptionキーを押したままにすると(プレファレンスで)設定された角度単位で回転させる事ができます(デフォルトでは45度単位)。正確な数値で回転させる場合は最初にクリックする時にoptionキーを押します。するとダイアログボックスが表示されますので回転角度を入力します。

拡大縮小(リサイズ)ツール
拡大縮小(リサイズ)ツールです。選択されている図形(または制御点)を拡大縮小します。まず最初に拡大(縮小)の中心をクリックし、その後に他の場所でドラッグすれば拡大(縮小)させる事ができます。正確な数値で回転させる場合は最初にクリックする時にoptionキーを押します。するとダイアログボックスが表示されますので回転角度を入力します。

反転(リフレクト)ツール
反転(リフレクト)ツールです。選択されている図形(または制御点)を反転させます。まず、最初に反転させる中心をクリックします。その後に他の場所をドラッグすることで反転させる事ができます。反転は必ずしも垂直、水平軸になるわけではありません。多くの場合、垂直水平反転を行いますが、この場合にはshiftキーを押したままにする事で反転軸を制限する事ができます。正確に垂直、水平もしくは指定角度の軸で反転させたい場合は、最初にクリックする際にoptionキーを押します。するとダイアログボックスが表示されまので数値を入力します。

傾斜(シアー)ツール
傾斜(シアー)ツールです。選択されている図形(または制御点)を傾斜させます。まず、最初に傾斜させる中心をクリックします。その後に他の場所をドラッグすることで傾斜させる事ができます。傾斜は必ずしも垂直、水平軸になるわけではありません。多くの場合、垂直水平方向の傾斜を行いますが(斜体文字など)、この場合にはshiftキーを押したままにする事で傾斜軸を制限する事ができます。正確に垂直、水平もしくは指定角度の軸で傾斜させたい場合は、最初にクリックする際にoptionキーを押します。するとダイアログボックスが表示されまので数値を入力します。

塗りつぶし(ペイント)ツール
塗りつぶし(ペイント)ツールです。ペイント設定で設定されている色でクリックした図形を塗りつぶします(塗だけではなく、その他線の太さなども設定されます)。

スポイトツール
スポイトツールです。画面上をクリックまたはドラッグする事でクリックされたオブジェクトの情報を抜き取ることができます。ペイント設定ウィンドウを表示させておくと見ためにすぐにわかります。

グラデーション方向指定ツール
グラデーション方向指定ツールです。塗りつぶし設定でグラデーションになっている場合、このツールを使用(ドラッグ)するとグラデーションの間隔および方向を指定する事ができます。使用する前に対象となる図形を選択しておかなければ駄目です。1つだけでなく複数選択した場合は、選択した図形全てに効果が現われます。

変形(ブレンド)ツール
変形(ブレンド)ツールです。イラストレータ3.2Jまでは、この変形ツールを使ってグラデーションを実現していました。5.0からは純粋に変形機能として存在しており、2つの図形間を結ぶ図形を生成します。たとえば四角から丸に徐々に変形していくような図形を作成する事ができます。使用する場合には、あらかじめ変形する画像(2つ)を選択しておき、それぞれの制御点をクリックします。するとダイアログボックスが表示されますので、ステップ数をいれます。指定する制御点によって結果が異なるので注意が必要です。

グラフツール
グラフツールです。見栄えの良いグラフを描いたりする場合には、もってこいの機能です。Excelやその他のデータベースから出力されたデータも使用する(読み込む)事ができます。単純に数値を指定して描画させる事もできます。

印刷範囲指定ツール
印刷範囲指定ツールです。注意しなければならないのは、印刷の範囲が移動するだけだという事です。描画された位置が変わるわけではありません。3.2Jの頃はページ区切りとして使用されていましたが、5.0からは使用頻度が低くなった感じがします。



の各ツールは図形を移動させたり変形させた後、マウスボタンを離す前にoptionキーを押したままにしマウスのボタンを離すと、以前の図形はそのままで新しいオブジェクトがコピーされます。