| 竹内 たま子 | 第3回 最優秀作品 | 登校拒否の子と我と折る千代紙の花嫁人形目も口もなし |
| 角谷 春蔵 | 第3回 特別賞 | 頭に載せて母が桶にて運びたる島の大井戸深くしづもる |
| 近藤 糺 | 第3回 優秀作品 | 日のひかりあまねく吸ひて明明とマスカットの房連なり下がる |
| 久保田 雪枝 | 第3回 優秀作品 | 音楽の促成効果ためされてサニーレタスの皺耳そよぐ |
| 岡崎 祥枝 | 第3回 佳作 | 脛蹴りて怯みし隙を担ぐとふ神輿揉む娘の足袋のまぶしき |
| 佐々木 千代 | 第3回 佳作 | 旅人のような心の湧きてくる灯ともる頃をあゆむわが街 |
| 椎名 順子 | 第3回 佳作 | 今日こそは言はむと思ふひと言をためらふひと日雪霏霏と降る |
| 白戸 尚 | 第3回 佳作 | 我が愛す獣ら地深く眠れるか続くものもなき畑に雪積む |
| 星野 行雄 | 第3回 佳作 | かきわけて野沢菜といふを見せくるる土にいきづくその紅き根も |
| 水上 深保子 | 第3回 佳作 | 釘一本抜けたるままに夏が来て人寄りたれば木の椅子軋む |
| 上水 市恵 | 第3回 入選 | 愛告ぐる手紙にあらねどいだき来てぬくきを雨のポストに入るる |
| 加納 正一 | 第3回 入選 | 音もなくフロンむしばむ青空を鳶は卑弥呼の世の如く翔ぶ |
| 佐藤 宣行 | 第3回 入選 | 暴走族にあらねどゼロハン吾が愛車「日常性」をすり抜けてゆく |
| 柴田 とみ子 | 第3回 入選 | 確執の融けざるままに四十余年暮して姑は今重く病む |
| 高山 光子 | 第3回 入選 | 朝焼けが吐きたる如きのうぜんかつら朱なだれつつ地にとどかざり |
| 橋詰 明枝 | 第3回 入選 | 悲しみを歪めることなくまっすぐに受け止められるひとになりたい |
| 堀尾 八重子 | 第3回 入選 | 化粧おとしあっけらかんと鏡面に写せる顔に父母在す |
| 町田 今代 | 第3回 入選 | できたてを真白く水に沈めあり呼べど留守らし村の豆腐屋 |
| 宮本 すず枝 | 第3回 入選 | 長雨に作柄さだかならぬ中早ばやと米価据え置き決まる |
| 諸隈 桃代 | 第3回 入選 | 白萩のこぼるる家路くれがたの闇は桜の樹下よりくる |