入賞作品一覧



椎名 順子 第4回 最優秀作品 スペインより嫁ぎ来たりし女の手に野沢菜漬の雫滴る
友成 みすえ 第4回 特別賞 夫も子も西方浄土沈みゆく陽を追い雁の列長く行
田村 三好 第4回 優秀作品 パン購いに来たる青年あけがたに父となりしをひそかに告ぐる
中神 米子 第4回 優秀作品 金星に月寄りてゆき昏き空天安門の惨思ひ出づ
赤堀 晴美 第4回 佳作 洗濯機まはせば渦にブラウスの片手あげつつ引きこまれゆく
小池 富雄 第4回 佳作 撃たれたる象はゆつくりと足折りて祈るがごとく膝まづきたり
小島 隆夫 第4回 佳作 髪を刈る客の補聴器はずさせてそれより吾れとの対話とぎれぬ
水野 喜代子 第4回 佳作 素はだかのエンゼル二人プールよりとぶごと走り芝生こえ来る
新井 司 第4回 佳作 農業を美化して詠いし日もありきいま老残に耐えて稲刈る
河口 きく子 第4回 入選 愛末だ幼かりしよ手にも触れず二十才の君の征きて還らず
北原 領一 第4回 入選 寝そべりて登校拒否の生徒と仰ぐ蒼天彼を冗舌にする
草間 とし 第4回 入選 帰省して語る友なき少年が裏庭に立ち爆竹鳴らす
黒澤 登喜子 第4回 入選 峠路は木の頂に咲く藤の花むらさき見下ろしに見ゆ
小林 匡子 第4回 入選 一かけの氷浮せて迎へ来しみ霊に供ふわが家の水を
小林 まさ子 第4回 入選 一かけの氷浮せて迎へ来しみ霊に供ふわが家の水を
佐藤 浪江 第4回 入選 家家のうすくらがりを出し鬼ら祖の貌して踊りはじむる
柴田 とみ子 第4回 入選 日に三度姑の尿を管にぬく共に運命を嘆き合ひつつ
新谷 悦郎 第4回 入選 百メートルを落ちきて発電をなせる水なほたかぶるか排水溝
高沢 洋子 第4回 入選 我が想ひゆれつつ歩む夜の道蛍一つが青田に光る
半沢 澄子 第4回 入選 そこもここも癒し給えと撫でられて目鼻減りたね地蔵の立たす
森泉 悠子 第4回 入選 その母を少女は甘き声に呼ぶそんなとき寂し子をもたぬこと