| 金子 カツ | 第6回 最優秀作品 | 泣かす子も泣かさるる子も平等に叱りつつ行く夕焼けの道 |
| 栗栖 式子 | 第6回 特別賞 | 悲しみの両の増しゆくごとくにて夜のプールの水抜かれゆく |
| 渡辺 錦子 | 第6回 優秀作品 | パシッと打つ碁石の音も鮮やかにドイツ青年一手決めたり |
| 稲田 篤 | 第6回 優秀作品 | こもごもに長き嘴天に向け啼く鶴の声出水野わたる |
| 江原 玲 | 第6回 佳作 | 吹き降りの外の面に激し硝子戸の内を異界の闇として坐す |
| 幸野谷 普時子 | 第6回 佳作 | 夕食の案内放送を最後とし看護婦ひとり辞めてゆきたり |
| 沢柳 美代子 | 第6回 佳作 | タ・タ・タ・タ・タ幼の銃に斃れしが電話のベルにすくっと立てり |
| 島谷 泰子 | 第6回 佳作 | 水底を写すレンズは石の間に卵をかくす襤褸の鮭追ふ |
| 吉沢 みつえ | 第6回 佳作 | 大陸に兵の日送りし老い夫につひぞ聞き得ぬ慰安婦のこと |
| 伊藤 千代子 | 第6回 佳作 | 大伯父が法事のたびに越えて来し宗谷海峡ここに見放くる |
| 上村 敦子 | 第6回 入選 | 賞の札たつ大輪の菊をすぎ小菊の赤に止まれり蝶は |
| 小松 一夫 | 第6回 入選 | 曇りきて山々黒く見ゆる中奥の一山緑あかるし |
| 岡崎 祥枝 | 第6回 入選 | 黴しろき上履かぜに曝しつつ登校拒否児の来む明日を待つ |
| 斉藤 惇子 | 第6回 入選 | 伐採の人夫入りたり此の森の木々のざわめき常にはあらず |
| 須野 治子 | 第6回 入選 | 籠の中の鳥のやうなり九階に預かる女孫はベランダが好き |
| 村岡 八重子 | 第6回 入選 | 死後処置のナース去りたる病室に眠るが如き舅と真向う |
| 天田 まさよ | 第6回 入選 | 豚飼うはたつた一軒豚見ると遠足の子ら賑やかに来る |