| 森田 貴穂子 | 第8回 最優秀作品 | 声かけて恥部洗うとき微かなる表情もちて媼恥じらう |
| 小松原 康生 | 第8回 特別賞 | 地吹雪が止みて湖より透り来る鶴の嘴打ち合ふ音は |
| 下平 曜子 | 第8回 優秀作品 | 梅雨明けの水量おおき池に浮く雲にのりたるオオミズスマシ |
| 高橋 きよ志 | 第8回 優秀作品 | 青春の心に確と位置しめる銃後の日々七十となる |
| 阿曽 富成 | 第8回 佳作 | 肉親の疎遠を嘆く母の手に切られてさらに青きあじさい |
| 古橋 満枝 | 第8回 佳作 | 次の世も君と添ひたしと眞顔にて言ひくれし夫よ待ち合はせ場所は何処 |
| 鹿子 茂雄 | 第8回 佳作 | 竹群は量感もちて靜まれり月落ちし夜を重く冷えつつ |
| 浜 浜雄 | 第8回 佳作 | 松の上の昼の月指し警官が一句出来ませんかと吾を振りむく |
| 堀籠 弥寿雄 | 第8回 佳作 | 別居する嫁を見送る老い妻をわれは心で抱きしめてゐる |
| 吉田 明雄 | 第8回 佳作 | 山越しに音のみひびく遠花火爆撃のごとしと言ひかけて止む |
| 井上 翠 | 第8回 入選 | 断水の解けたる時刻蛇口よりほとばしる水鮮らしく受く |
| 入蔵 多喜夫 | 第8回 入選 | 火祭りの日照り鎮めて寂び寂びと御山洗の雨は降りつぐ |
| 上條 絢子 | 第8回 入選 | 青葉闇そこより先は入る事をゆるさぬごとく夜は立ちはばむ |
| 田村 三好 | 第8回 入選 | 木洩れ陽の揺らぐ流れにほろほろと蟹は胎の子こぼしつつい |
| 塚原 とし子 | 第8回 入選 | やうやくに農継ぎくれし若夫婦出荷休みはゴルフに遊ぶ |
| 中川 広子 | 第8回 入選 | 托鉢の憎に纏わり白き蝶極楽寺坂越えてゆきたり |
| 本城 多美子 | 第8回 入選 | コカコーラ呻るをとこの喉仏固き果実を思はせて夏 |
| 松木 さと子 | 第8回 入選 | わきて来し蜻蛉耀ふ夕焼の野道はさながら来迎浄土 |
| 宮沢 菊美 | 第8回 入選 | 竹炭を焼きつつ子等は自閉症の心しだいにひらきて生きゐる |
| 橋爪 順 | 第8回 入選 | 「沖縄戦慰霊の日」と言うその島へダイビングすると娘は発ちゆく |
| 金子 カツ | 第8回 入選 | 柿の木の小暗き下に吾が少女犬の死にたる二日目も泣く |
| 倉澤 由紀子 | 第8回 入選 | 犬が来て猫も寄り来て高原の無人の駅に姉と降り立つ |