| 中村 重義 | 第11回 最優秀作品 | 蝶になり蜻蛉になりて遊びゐる幼きものの声やはらかし |
| 木村 恵美子 | 第11回 特別賞 | 象さんはみずいろだったとゆずらぬ子君の色もて未来は描け |
| 山下 勝義 | 第11回 優秀作品 | 炎天下黙黙と下刈鎌振りぬ累積赤字三兆円 |
| 大塚 青史 | 第11回 優秀作品 | ずぶりといま生み落とされし馬の仔が藁にまみれて立ち上がりたり |
| 神田 千恵子 | 第11回 佳作 | フィリピンの母へ送金たどたどと窓口に問う茶髪の少女 |
| 高橋 民夫 | 第11回 佳作 | 戰いに死にたる若き学生の描きし裸婦像剥落す 夏 |
| 中村 久枝 | 第11回 佳作 | 東京の下宿に帰る前日に農継がぬ孫春田耕す |
| 真島 正子 | 第11回 佳作 | 盲目の母なげきしを思ひ出す雛罌粟ゆるる夏がまた来て |
| 山下 利子 | 第11回 佳作 | 角膜のドナーとなりしわれの眼よふたたび生きて如何なる世を見む |
| パク・チンキ | 第11回 佳作 | 韓国に帰りきたりて半世紀同級生はすべて安曇野 |
| 赤津 光晴 | 第11回 入選 | 夏休み子の風鈴とタマゴッチ飼育係の最後は我なり |
| 伊東 敬人 | 第11回 入選 | 洞窟は昔のままにうす暗くわれのこの掌に戦友の骨 |
| 嘉数 睦 | 第11回 入選 | 会社では他人のふりの私たちインターネットで交わす「おはよう」 |
| 渋谷 恭子 | 第11回 入選 | 一戸ごとにドラマありなむ震災ののちの更地に建ちて行く家 |
| 新谷 悦郎 | 第11回 入選 | エスカレーター逆に踏みつつ駆けくだる十五歳少年何にあらがふ |
| 田中 靖子 | 第11回 入選 | 少し溶けた氷いちごが好きたがらテーブルに置き風を見ている |
| 成川 英子 | 第11回 入選 | 百十年 夢のごとしと微笑みし伯母に別れの水を含ます |
| 渡辺 千鶴子 | 第11回 入選 | わが生れて二万四千八百余日記憶にあるは幾日ならむ |
| 秋山 尚子 | 第11回 入選 | 誉めことば二つ用意し朝より双子の孫の通知表待つ |
| 平田 雅 | 第11回 入選 | 抱きかかふる大いなる手のあるならむ波ゆたゆたと昏れゆく諏訪湖 |
| 馬場 重子 | 第11回 奨励賞 | 亡き母の箪笥に残る久留米絣母の齢を越えて吾が着る |
| 浜 久子 | 第11回 奨励賞 | 生きいある命しみみに思ふ日よ癌病みしことも疎かならず |
| 渡辺 秀雄 | 第11回 奨励賞 | 缶ビールいっ気に飲めば老いの身に五臓六腑のマグマが嗤ふ |
| 今井 みち | 第11回 奨励賞 | ほんとかしら離るるほどに愛しいとぬけぬけ言いて夫帰省する |
| 橋本 凱子 | 第11回 奨励賞 | あちこちにお久しぶりと声のして盆踊りの輪の広がりてゆく |
| 黄 得龍 | 第11回 奨励賞 | わが代で終る日本の短歌(うた)なれどえにしと子に告げ今も詠むなり |