| 県名 |
市町村名 |
名前 |
短歌 |
賞 |
| 東京都 |
文京区 |
倉 沢 寿 子 |
子が妻を娶る今宵ぞはろばろと空ふた分けて銀河かがやく |
最優秀賞 |
| 長野県 |
坂城町 |
柳 沢 東 子 |
礼拝と殺戮の画面続く中片足の子の瞳動かず |
特別賞 |
| 福岡県 |
太宰府市 |
戸 崎 春 子 |
実朝が海彼に夢みし由比ヶ浜風を孕める夏潮うねる |
優秀作品 |
| 長野県 |
松本市 |
横 山 喜三郎 |
略字など一字もなかりし農日誌田畑も楷書で耕しし兄 |
優秀作品 |
| 三重県 |
東員町 |
尾 崎 淳 子 |
百日紅燃えたつる日よ美しき人を伴い子の帰省する |
優秀作品 |
| 千葉県 |
市川市 |
西 嶋 法 子 |
雨螢追いてあゆめばただ君を恋し日のよう樹の闇匂う |
優秀作品 |
| 東京都 |
清瀬市 |
神 戸 孝 敬 |
ゆく雲に傾くごとく見えながらテレビ塔のちからある反り |
佳作 |
| 東京都 |
品川区 |
中 原 兼 彦 |
うつつなく虚空に眼凝らす兄オシログラフは生を告げゐて |
佳作 |
| 長野県 |
佐久市 |
小 林 みどり |
新郎の母と呼ばれて只ひとり新婦の父母の横に並びぬ |
佳作 |
| 長野県 |
松川町 |
山 田 伊知子 |
洗面器の蝌蚪は手足を授かりて今朝草むらへ跳ね飛び行きぬ |
佳作 |
| アメリカ |
ハワイ州 |
マスグローヴ・羊子 |
あるときはいまだに知らぬ貌見するこの碧き眼と五十年はや |
佳作 |
| 長野県 |
豊野町 |
青 山 和 男 |
人手無き農業の辛さ身に沁みて広き畑に怖気付くなり |
入選 |
| 千葉県 |
館山市 |
藤 井 昌 子 |
吃水の深く沈める砂利船が朝明けの埠頭目指し入り来る |
入選 |
| 愛媛県 |
松前町 |
黒 田 和 子 |
雨後の田に湧き出づる靄ゆらめきて影絵のごとく田植機進む |
入選 |
| 長野県 |
長野市 |
花 石 文 雄 |
娘から貰ひし日傘かざしつつ羽化するごとく妻は出でゆく |
入選 |
| 長野県 |
池田町 |
牛 越 敏 夫 |
久々にぽつりと答ふる生徒のありてもどる廊下の足どり軽し |
入選 |
| 大阪府 |
岸和田市 |
向 井 靖 雄 |
捕鯨枠国後漁区の二頭追うわが船見張るロシア警備艇 |
入選 |
| 長野県 |
塩尻市 |
吉 江 成 子 |
俯きて会釈を交す眼病棟窓に雪舞ふ手術日の朝 |
入選 |
| 長野県 |
本城村 |
窪 田 政 子 |
北帰行叶わず戻りし二羽のいてダム湖畔さくら爛漫と咲く |
入選 |
| 長野県 |
須坂市 |
島 田 トシエ |
メークイン播きし二キロが六十キロにまだまだ負けぬ喜寿の農われ |
入選 |
| 愛知県 |
瀬戸市 |
中 神 米 子 |
むらさきの長茄子小なす加茂なすもまたふっくらとおのれ主張す |
入選 |
| 長野県 |
伊那市 |
御子柴 錦 |
田も畑も原野に戻り人住まぬ荒野に残さるる墓石の幾つ |
奨励賞 |
| 新潟県 |
糸魚川市 |
松 野 功 |
青田干す梅雨の晴れ間を密やかに余り苗捨てぬ思ひ定めて |
奨励賞 |
| 兵庫県 |
社町 |
小 紫 博 子 |
目に見えぬこころ互みに寄せ合ひて住む三世代八人の家 |
奨励賞 |
| 静岡県 |
藤枝市 |
秋 山 尚 子 |
負けましたと歯切れよくいふパソコンと囲碁打つ夫はマウス放さず |
奨励賞 |
| 新潟県 |
上越市 |
西 本 登米子 |
襁褓替ふれば泣きやみて笑む嬰児の爽快知りぬ吾が二度童子 |
奨励賞 |
| 神奈川県 |
平塚市 |
関 喜佐子 |
梅雨寒の庭に紫の立葵見上ぐるほどに咲きのぼり行く |
奨励賞 |
| 埼玉県 |
さいたま市 |
田 中 アイ子 |
春紫苑咲く土手ゆけばうらうらと萌黄に霞む母の里見ゆ |
奨励賞 |
| 長野県 |
坂城町 |
大日向 法 子 |
きさらぎの真夜皓皓と月光の照らす宙より雪降りはじむ |
奨励賞 |
| 長野県 |
長野市 |
小 松 未喜子 |
おむすびをくるみし新聞広げればイラクの児等の笑顔載りいる |
奨励賞 |
| 千葉県 |
本埜村 |
日 暮 あい子 |
老の身の生きゆく糧と一碗の粥と味噌汁時かけて食む |
奨励賞 |
| 神奈川県 |
開成町 |
荻 野 朝 子 |
叔父の通夜に集まる叔母らそれぞれに性質しずかなる媼となりいつ |
奨励賞 |
| 山梨県 |
増穂町 |
熊 王 政 江 |
フィルムは要らないというカメラにわからぬままに撮されている |
奨励賞 |
| 北海道 |
札幌市 |
東 十八子 |
草を食む牛の地つづきに寝転びて大地にぞんぶん手足をのばす |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
小 沢 八千代 |
巣立ちして電線に止まる燕小さな体の一羽も飛んだ |
奨励賞 |
| 千葉県 |
松戸市 |
谷 光 順 晏 |
雪降れば雪をかなしむ姑逝きて雪の話をせざる歳月 |
奨励賞 |
| 岐阜県 |
関市 |
大 塚 青 史 |
くたくたと階に折れつつ先立つは紛れもあらぬ吾が影にして |
奨励賞 |
| 群馬県 |
高崎市 |
羽 鳥 一 枝 |
空掘に今し田植の水走る水門開けるハンドル温し |
奨励賞 |
| 静岡県 |
大須賀町 |
田 中 初 枝 |
キウイ園に摘果しをれば抱卵の鳩の眸と鉢合わせする |
奨励賞 |
| 群馬県 |
前橋市 |
吉 野 榮 |
特攻の前夜送りし吾が遺書を母は袷の襟に秘めいし |
奨励賞 |
| 東京都 |
世田谷区 |
有 可 秀 子 |
はなれ住む義母を見舞へば我が手取り硬い手やなと包みくれたり |
奨励賞 |
| 大分県 |
大分市 |
安 東 千代子 |
「女大学」学びし祖母のすらすらと諳じたりし百人一首 |
奨励賞 |
| 福島県 |
只見町 |
新 国 洋 子 |
隣室の父が明るく話しつつなが病む母の爪切る音す |
奨励賞 |
| 京都府 |
京都市 |
小 野 承 子 |
もう駄目と言ひたる夫がリハビリで握力ゼロの右手動かす |
奨励賞 |
| 山口県 |
周南市 |
村 岡 八重子 |
黒髪の抗癌剤に抜け初めし娘に春色の帽子を購ふ |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
青 木 八重子 |
たちまちにきれいになりぬ我が畑の赤きトラクター雑草飲み込む |
奨励賞 |
| 長野県 |
長野市 |
小 池 さ だ |
勤めゐる苦労は吾に言わざれどふっと触れたる息子の指硬し |
奨励賞 |
| 長野県 |
松川町 |
米 山 恵美子 |
護衛艦見送る日の丸旭日旗あふれて父の征きし日の駅 |
奨励賞 |
| 兵庫県 |
豊岡市 |
古 橋 満 枝 |
男子厨房に入る料理はグーなれど廻りは杯盤狼籍 |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
塩 原 すみ子 |
食べられぬと言ひ聞かせつつ取り替へる夫の手にある化粧石鹸 |
奨励賞 |
| 山梨県 |
増穂町 |
赤 池 静 江 |
栄転を告げて去りゆく青年の爽やかな背にエールおくりぬ |
奨励賞 |
| 長野県 |
長野市 |
宮 下 いち子 |
広島のダイ・イン大地は灼けをらむ核廃絶なき原爆忌今日の |
奨励賞 |
| 長野県 |
穂高町 |
水 上 久美子 |
ねんごろにあぢさゐの葉につつみしは何の種子ならむ亡母ののこせし |
奨励賞 |
| 長野県 |
駒ケ根市 |
伊 藤 正 子 |
日没を待ちて出で来し丘畑に蚊いぶし焚きて馬鈴薯を掘る |
奨励賞 |
| 群馬県 |
高崎市 |
川 合 イズミ |
暑き日は冷たき井戸水汲みあげて母の造りし冷や汁うまし |
奨励賞 |
| 長野県 |
望月町 |
小 林 そ の |
夫逝きて早二十余年遺されしオオムはわれをママと呼び生く |
奨励賞 |
| 長野県 |
長野市 |
井 出 弘 行 |
四千光年離れし星の終焉が蝶の形に今輝けり |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
百 瀬 三江子 |
新しく替へし畳の青々と藺草の匂ひ部屋に満ちたり |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
宮 下 義 郎 |
われによく尽せし妻の皺の手を眠りゐるときそっと撫でをり |
奨励賞 |
| 長野県 |
上田市 |
宮 澤 さ い |
安らけき夫の寝息よ三十アールの麦つつがなく蒔きたる夕べ |
奨励賞 |
| 長野県 |
塩尻市 |
雨 宮 かず子 |
ほのぼのと陽の温もりの伝ひくる落ち梅ひとつ掌に包みたり |
奨励賞 |
| 長野県 |
伊那市 |
伊 藤 志登代 |
粟蒔けば雀が平らげ豆蒔けば鳩が食べ尽す鋭し鳥の目 |
奨励賞 |
| 長野県 |
松本市 |
守 屋 みすず |
亡き母は愚痴ひとつなく病みたりきわれ倒れいてその孤独を思う |
奨励賞 |
| 埼玉県 |
川越市 |
鈴 木 稲 子 |
甲高く叫ぶがごとく話しつつ赤き帽子の児等帰りくる |
奨励賞 |
| 長野県 |
飯田市 |
平 沢 央 子 |
火の星の六万年経し煌きをわが瞳に刻む夜更けの庭に |
奨励賞 |
| 長野県 |
茅野市 |
伊 東 里美子 |
しみこんだパセリと土の匂いするトラックに君と朝霧の中 |
奨励賞 |
| 神奈川県 |
川崎市 |
山 本 喜 朗 |
定年の日去りゆくビルをふりかへる空にさやけき鰯雲見ゆ |
奨励賞 |
| 山梨県 |
塩山市 |
野 澤 真砂子 |
エノラ・ゲイに搭乘したる兵士言ふボタンを押したそれだけのこと |
奨励賞 |
| 鹿児島県 |
屋久町 |
水 野 洋 子 |
俯瞰する海より虹ののぼりきて翼に触るるたまゆらに会ふ |
奨励賞 |
| 福岡県 |
福岡市 |
地 三 郎 |
照りつける万里の長城若者と語りつつ登る我九十九歳 |
奨励賞 |