練習を始めてから1年半後の成果【2016年9月】

可愛い女の子の絵を描く練習を始めてから、だいたい1年半が経過しました。この文章を書いているのは2016年9月25日です。
実際の成果はこんな感じです。呉竹筆ペンで描いています。A4サイズを縮小しています。



服とか駄目なのはご容赦。あと、足首というか膝から下は描けません。手も怪しい状態です。ただ、最低限なんとか立ち絵として使えるギリギリの線まではきたかなあ、と。色塗りは練習していないのですが、ざっと塗るとこんな感じです。



と、前回の更新が2015年6月29日の愚痴だったので、ここまで至るまでの経緯を残しておこうと思います。まったく絵が描けない人で、高年齢で時間のない人向けに役立つかもしれないので。もし、近くに絵が上手な人がいるなら、その人に教わるのが一番早いのではないかと思います。漫画描きたいなら漫画家さんのところでアシスタントするのがいいのだろうと思います。

何にしても、ここ1年近くいろいろやった失敗と成果も、まとめて書いておきます。

手癖でたくさん描いても上達しない

手癖というのは資料も見ずに、模写もせずに単に頭の中にあるイメージを紙に描く、ということです。A5サイズの裏紙(A4サイズのを半分に切った)をたばねて、仕事中に赤信号で車を止めた時に、ちょろちょろと描いてました。多分200枚以上。しかし、上達しませんでした。
その後、「浦沢直樹の漫勉」のシーズン2の花沢健吾の回で手癖で書いた段階で〜という文言があり、やはり手癖ではよろしくないのかな、という気がしました。やはり、資料なり何かを参考にした方がよいのかなと。
上達しない人は、手癖でたくさん書いているのかなあ、と思ったりもしますが、どうなのでしょう。PIXIVやWebなどでA4用紙500枚描いた成果などがアップされていたりしますが、上達するにしても劇的に早く上達していないような感じはあります。(こちらの「A4用紙500枚描けば上手になる」も参考にしてください)

プロ/エキスパートの真似をしてはいけない

絵が全然駄目なド素人がプロ/エキスパートの真似をしてはいけないようです。基礎ができていないのに凄いことはできません。プログラムでたとえると、キー入力もおぼつかない素人が、いきなりスーパーコンピューターのプログラムを開発するようなものです。まあ、うまくいくはずがありません。スーパーコンピューターどころか、簡単なプログラムでさえ作れるかどうか怪しいでしょう。
ですが、やはり素人なのでプロが描くイラストや名前の知れた漫画家(あこがれの漫画家とか)には惹かれてしまいます。惹かれると、どうしても、その人のモノマネをしたくなってしまうわけです。ちなみに、手塚治虫のモノマネをしまくる漫画家の話(チェイサー)もあって、第三者的視点で見ると何とも笑ってしまいます。でも、笑ってる自分も同じような事をしているわけですから何ともです。
昔、NHKプロフェッショナル仕事術で漫画家 井上雄彦の回があって、それを見たのも駄目だったのかもしれません。一発描きなので、プロとはこういうものなのか、と(勘違い)。イラストなどでも、最初にあたりをつけて書く、というのは後に知ったというか、そんな丁寧なことをしているのか、と。さらに駄目だったのが「「私と鳥獣戯画 手塚治虫」」 ここでも一発描きがあって・・・まあ、どうしようもないですね。
その後、さらに駄目だったのが「浦沢直樹の漫勉」のシーズン1の「藤田和日郎」の回。適当なアタリで即ペン入れ。凄いけど素人にとっては駄目なシロモノ。素人にとっては駄目なものばかり見て感心していたのが、駄目だったということです。
プログラムで言えば、よくプレゼンなどでさくさくっとプログラムを作ってしまう人がいますが、それと似たようなものです。素人プログラマがやっても、うまくいかないですね。素人でもできるパターンとしては丸暗記しておくしかないわけで。それはイラストならコピーか、よくて模写にしかならない。
どのみち、うまくいくはずがありません。
やはり基本に忠実な方がよい、というのは「浦沢直樹の漫勉」のシーズン3の「池上遼一」の回をみて、そう感じました。ああ、あたりの線をちゃんと定規で引っ張ってるのか、と。

落書きをしなかった人にとってはトレースは有効かもしれません

2015年6月から1年近く描いたところで、なんとも上達していないことが判明。なぜか?模写しても何にしても上達せず。仕方ないので、根本的原因を探る方向に。2015年10月に絵はすぐに上手くならないという本を買いました。まったく絵が描けない人にとっては、どっちに行ったらよいのかが分かる本です。もう一度、よく考えてみると目的とする絵は基本的にノベルゲーム等の立ち絵であり、通常の可愛い女の子のイラストとも漫画ともちょっと違います。1枚で世界観を伝えるイラスト、コマを使って世界観を伝える漫画とは様相が違う感じがしました。一番いいのはノベルゲームの立ち絵を参考にすることですが、いかんせん参考にする枚数が少ない。
しかし、ノベルゲームの絵を参考にして練習しても多分上達はしないだろうという感じがしました。もっと、根本的な所で駄目じゃないのか、と。そういえば、大昔に買った手塚治虫の漫画入門だったかの本に直線を描くには云々と載っていたなあ、と。で、直線を描いて見ると、まともに描けない。あらら?と思いつつ、さらにTBSドラマの重版出来に出てきた中田伯という漫画家を思い出しました。この人も絵が下手で、アシスタント先で偉い先生に「丸を描いてみて」と言われ描くのですが、全然丸になってない。
「ああ、そうか」・・・つまり頭が手を正しく制御できていない。小さい頃に落書きをそれなりにした人は、ここらへんの回路が正しく繋がっているのでしょう。しかし、小さい頃に落書きをしたことがほとんどない・・・。読書はたくさんしたけど。つまるところ、もっとも根本的な正しい位置に線を描く、ことができない・・・→どうやっても変・・・ということみたいです。
原因らしきものが分かったので、それを解決すればマシになるかも。ということで、考えたのがトレース。しかし、直線や丸では面白くないので、立ち絵に近く楽しく練習できるものとして、アニメーションのオープニングをトレースすることにしました。AfterEffectsでプリキュアとかのオープニングを半透明にして50枚とか100枚印刷。それを、ひたすらトレース。最初やると、やはり線がガタガタなだけでなく、線からはみ出る。頭ではここに線を描け、と命令しているのに手の方は、いまいち言うことを聞いていない、と。そんな感じ。
まあ、本当に根本的な部分が駄目だった、と。ということで、これを3日ほど練習。練習していると、だんだんと綺麗な線が描けるように。これは、意外と効果がありました。ただ、どのアニメーションを選ぶかは重要かもしれません。ゆるゆりとかは駄目でした。プリキュアは割とやりやすかったです。

模写と反転は有効

トレースの後は模写です。トレースと違い模写は時間がかかります。トレースのようになぞるのと、他の紙に同じように転写するのは違うからです。模写の後にトレースするよりも、最初さらさらと線が描けるようにトレースで訓練してから模写すれば、効果が高いのではないかなと感じました。
また、一度模写した絵を反転させて、反対向きで描く、もしくは上下反転させて描くと左右のバランスが矯正されるようです。でも、どうしても上手く描けない場合は「浦沢直樹の漫勉」のシーズン3の「池上遼一」よろしく、描いた後に左右反転させればよいかと思います。

課題はたくさん

とりあえず、最低限立ち絵をして使えそうなところまでは来ましたが、課題はたくさんあります。手足やポーズ、服や服のシワなどは結構練習しないと駄目かもしれません。ここまで来て、ようやくたくさん購入した絵を描く本が役立ちそうだ、というところです。絵が全く描けない人と、普通に落書きしてきた人(普通の人)には、かなり大きな隔たりがあり、それを超えるには結構訓練しないと駄目だというのも感じました。今のところ

  1. アニメの絵をトレース
  2. 絵を模写
  3. イラストの描き方の本を買う
という順番ならよかったのかなあ、と。ここらへんは人それぞれかもしれませんが。
現状の絵お絵かきレベルはプログラムにたとえると、コンピューターを使ったことがない人がパソコンと入力したら「パンコソ」になっちゃった!みたいな段階から抜け出しつつあるかなあ、という上達度です。
あとはたくさん描くしかないのかもしれません。